【徹底解説】SBT(ソウルバウンドトークン)とは?【NFTの新形態】
気になる人「SBT(ソウルバウンドトークン)って何のこと?新しいNFTみたいだけど具体的に何が違うの?」
こういった疑問に答えます。
もくじ
- SBT(ソウルバウンドトークン)とは?【NFTの新形態】
- SBT(ソウルバウンドトークン)の用途
- SBT(ソウルバウンドトークン)が解決すること
■本記事の著者について 2021年9月からNFT投資しています。自作のSBTも発行済。 本ブログのほか、Twitterでも発信中。
SBTの概念の始まりはイーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏の記事でした。
参考:Soulbound(2022/1/26)
その後、さらに詳しい論文が提出されて以降、SBTは徐々に話題になっていくことに。
参考:Decentralized Society: Finding Web3's Soul(2022/5/11)
今回は、以上の記事も踏まえてSBT(ソウルバウンドトークン)の基礎知識や用途などについて、なるべく噛み砕いて解説していきます。
本記事を読むことで、SBTの概要と革新性についてざっくり理解できるハズ。
それではいきましょう。
SBT(ソウルバウンドトークン)とは?【NFTの新形態】
まずは言葉の意味から。
SBTはSoulbound token(ソウルバウンドトークン)の略で、直訳すると「魂に縛られたトークン」です。
、、、といわれてもピンときませんよね。
簡単に言うと、転送することが出来ない「譲渡不可能なNFT」のこと。
参考:NFTとは?【特徴・活用例など初心者にもわかりやすく解説します】
従来のNFTには、「取引(売買)が可能」という大きな特徴がありました。
この特徴によりNFTは投機的な価値を持ち、売買が盛んに行われています。
BAYCやクリプトパンクスが良い例ですよね。
一方、SBTは取引(売買)できないので、もちろん投機的な価値は付きません。
取引可能性というNFTの最大の特徴がなくなり、一見NFTの劣化版にも思えるSBTですが、今までのNFTにはない新しい用途を持つようになります。
SBT(ソウルバウンドトークン)の用途
では、新しい用途とはなにか?
それは、この譲渡不可能性を利用した「証明」です。
例えば以下の2パターン。
- 用途①:個人の経歴・実績の証明
- 用途②:会議・イベントに参加した証明
それぞれ深堀りします。
用途①:個人の経歴・実績の証明
他者から与えられたSBTは、個人の経歴・実績の証明になります。
例えば以下の通り。
- 大学が発行した卒業証書のSBT
- 協会が発行した資格のSBT
こういった重要な証明は現状紙媒体が主流ですが、改ざん不可能性と譲渡不可能性を併せ持ったSBTの技術を使えば、これらをブロックチェーン上で証明することが可能です。
実際に、千葉工業大学では学習歴証明書をSBTで発行しており、国内初の事例となりました。
参考:国内初!千葉工業大学で学修歴証明書をNFTで発行
用途②:会議・イベントに参加した証明
ほかにも、次のような用途が考えられます。
- 会議・講義の出欠履歴
- チャリティイベントの参加履歴
会議に出席すると議事録作成用に、いちいち出席名簿が回ってきて記名・・・
みたいなことよくありますよね。会社員の方ならわかってくれるハズ。
また、大学の講義をいちいち紙で出欠確認しているところもあると思います。
こういった、身近な出欠確認なんかもSBTによって管理することができます。
また、クラファンやボランティアなどのチャリティーイベントの参加履歴に使われる可能性も。
実際にクラファンSBTに関しては、国内NFTコレクションのCryptoNinja(クリプトニンジャ)のアニメ制作の資金調達で発行される予定です。
このクラファンのSBT(パスポートNFT)を所有することで、現段階では以下のユーティリティー(有用性)が付与される予定とのこと。
- 特典NFTの無料配布(エアドロップ)
- 今後販売されるNFTのホワイトリストの優先獲得する権利
- 公式Discordの『パスポートNFT』保有者限定チャンネルへのアクセス
楽しみですね。
参考:『CryptoAnime Labs』詳細ページ(※SBTの事前申込は終了しています)
当たり前ですが、慈善活動の履歴がお金で取引されているのは健全ではありません。
こういった「人間性の証明」もSBTを利用することで可能になります。
SBT(ソウルバウンドトークン)が解決すること
ここまでSBTの基礎知識、用途についてまとめてきました。
では、実際にSBTはどんな問題を解決するのか?
それが以下の通り。
- 問題点①:評価基準がお金
- 問題点②:経歴詐称の横行
順番に解説します。
問題点①:評価基準がお金
現状のWeb3の大きな問題点として、
「現実での信頼関係、実績などよりも、どれだけのお金(NFT)をもっているかで評価されている」という点が挙げられます。
極端に言うと「猿の画像(BAYC)を持っている人が一番エラい」みたいな状況です。
その他にも、大半の「play to earn(遊んで稼ぐ)」を謳うNFTゲームが、札束ならぬイーサで殴るゲームと化しており、新規ユーザーや既存のゲーマー層が参入しづらい、といった状況になっています。
この金銭中心的な考え方からの脱却(緩和)の1つの手段として、人間性を証明するSBTは有用といえるでしょう。
ここでヴィタリック氏の言葉を引用します。
(原文)
A common criticism of the “web3” space as it exists today is how money-oriented everything is.
・・・
Making more items in the crypto space “soulbound” can be one path toward an alternative, where NFTs can represent much more of who you are and not just what you can afford.(DeepLによる翻訳)
今日存在する「web3」スペースに対する一般的な批判は、すべてがいかに金銭中心であるかということです。
・・・
暗号空間の多くのアイテムを「ソウルバウンド」させることは、NFTが単に買えるものだけでなく、その人自身を表すことができる、代替策への1つの道となりえます。
引用:Soulbound(2022/1/26)
問題点②:経歴詐称の横行
これはWeb3のというよりは、昔からある問題ですね。
学歴や保有資格などの経歴詐称は跡を絶ちません。
芸能人の経歴詐称、採用面接の際の履歴書詐称、SNS上の実績詐称などなど・・・
SBTを用いて経歴をブロックチェーン上で証明できれば、こういった問題も起こり得ません。
このあたりでブロックチェーン技術が使われ始めると、いよいよマイナンバーカードや免許証、保険証などのSBT化もあり得るかもです。
少し話は変わりますが、新型コロナにより保健所がひっ迫していたのは、コロナ陽性者の個人情報を電話でいちいち聞き取っていたという背景があります。
そのあたりの対応は今では緩和されているみたいですが、個人情報がブロックチェーンにより管理されれば、保健所を始めとした行政機関にとっても効率的なハズ。
ただ、行政や社会インフラにSBTが組み込まれるには時間がかかりそうですよね・・・
時代の変化を観察しつつ、日々学習するのみですね😌
いかがでしたでしょうか。
今回は、SBT(ソウルバウンドトークン)とは何かについて解説しました。
以下の記事では実際にSBTの発行手順を解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
SBT(ソウルバウンドトークン)の発行手順を解説【転送できないNFT】
「転送できないNFT、SBT(ソウルバウンドトークン)を実際に発行してみたいけど、具体的にどうやればいいの?」こんな方向けです。本記事では、SBTの発行手順を画像つきで解説します。初心者でも30分もあれば発行完了するくらい簡単です。新しい技術にいち早く触れたい方、SBTを実際に発行して学びたい方はぜひご覧ください。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでくださってありがとうございます🙇♂️